こんにちは、Pedalistの福本です。
来年度使用するバイクを組み上げたので紹介させていただければと思います。
まず今シーズンは、実業団レースをメインにプラスヒルクライムレースの富士ヒルクライムに出場いたしました。
年初の目標として実業団レースでは着順でのE1カテゴリ昇格、フジヒルクライムでは1時間5分を切ってのゴールリング獲得を掲げました。結果としては実業団は開幕戦で優勝することができまして無事E1カテゴリの出走権を得ることが出来ました。連日行われた宇都宮ロードレースでも有名選手に混じり出走しレースは厳しかったものの、手ごたえを感じたのを覚えております。富士ヒルクライムでは1時間4分でこちらも目標をクリアすることが出来ました。
上半期でうまく結果を出すことが出来ましたが、シーズン半ばはあまりレースを走ることなく、これはいろいろな理由はありますが一番は目標を達成することが出来たので満足してしまった部分が大きかったと思います。
実業団レースとしては、経済産業大臣旗群馬ロードレースを最終レースとしてトレーニングをしておりましたが、レース一週間前の練習中に単独で落車をしてしまい、骨折、一週間余り安静のため入院をしておりました。不在の間は多方面にご迷惑をおかけいたしました。
怪我の影響により、完治までは2か月余りということで自動的に私の今シーズンは終了してしまいましたが、先ほども書きましたとおり年初に掲げた目標を達成できましたので充実したシーズンを送ることが出来たと満足しております。
来年度はレースの場を「トラックレース」に移してみようと思い、機材について様々検討を重ねました。
来年度メインで使用するフレームはこちら、日本が誇る自転車メーカー、ブリヂストンサイクルのスポーツライン「ANCHOR TR9」です。2018年度も継続販売となります。
最近のトラックレースの機材事情といえば、中長距離種目に限らず短距離種目でもCerveloのT4が目に留まります。当初T4を購入しようと検討したのですが、2017年度の全日本選手権トラックにてブリヂストンアンカーサイクリングチームの近谷選手、一丸選手、筑波大学の梶原選手など全日本チャンピオンになった選手達が操っていたのがこの「TR9」でした。その全日本チャンピオンたちの印象が強くそれが一番の決め手となりました。
「ANCHOR」のトラックフレームは2種類ラインナップがあり、短距離種目向けがこちらの「TR9」、中長距離種目向けのフレームとして「TM8」というフレームが発売されております。
もう一つの決め手となったのが「TR9」にはSSサイズが設定されていることでした。
トラック競技と一言でいっても陸上競技のように種目は多岐にわたります。来年主としてやっていきたいのがDHハンドルを使用する「タイムトライアル種目」なので、本来であればCerveloのT4に近い、中長距離種目に向いたジオメトリが設計されている「TM8」を選ぶのがセオリーなのですが、ポジションのセッティングがしやすい小さ目のフレームが欲しかったという所で「TR9」を選びました。
しかしながら短距離種目向けの設計なのでフレームのボリュームを見ていただいても分かる通り剛性感も半端ではありませんので相応の脚力をつけて乗ることが前提です。
フロントフォークのコラムはアルミ製となります。軽さを求めるロードバイクと異なり、剛性感、耐久力を重視するトラックレーサーならではの素材選択と思います。
フレーム、フォークを合わせた重量はカーボンフレームとはいえ2800gとロードバイクでは考えられない重量です。
これはトラックレースにもUCI規定として6.8kgの縛りがあるので、ブレーキや変速機の無いトラックレーサーでは軽くなりすぎて規定をクリアできないということをなくすための調整でもあると思います。
DHハンドルはプロファイルデザインを選びました。全日本チャンピオンの近谷選手が使用していたのと、見た目がカッコいいので。
SVETブルホーンハンドルに、T4カーボンDHバーを組み合わせております。ポジションの流行として、ブルホーンハンドルは極力低く、DHは落差そこそこといった感じを受けるので40mmのブラケットライザーキットを挟んでおります。
クランクはDURA-ACEの7710シリーズのトラック用クランクです。
今となっては9100番まで進化したデュラエースですが、トラック用部品では7710シリーズが未だに現役です。こちらは競輪の影響が大いにあると思います。競輪学校では未だにスクエアテーパーのクランクしか使用できないと聞きます。理由は分かりません。
とはいえトレーニングとしてはやはりワットを見てのパワートレーニングをしたかったのでSTAGESから発売されているFC7710クランクのパワーメーターを用意しました。
タイムトライアル中のワットやケイデンスを見ることによって、課題や対策を見つけるのが目的です。ギアの選択にも役立つと思います。
ドロップハンドルはLOOK製のトラックレーサー用カーボンハンドルです。
もちろんSTIやエルゴパワーは取り付けることはできません。全名投影面積を減らすことと、力が入りやすいという理由でトラックレーサーでは350~390mm位のハンドル幅を採用する選手が多いです。長距離種目ではロードバイク用ハンドルもいます。
トラックレースでは、室内外問わず、レースの時には後輪にディスクホイールを装着いたします。
空気抵抗が少なくなるのと、剛性感を求めて使用します。
1kmのタイムトライアルではスポークホイールからディスクホイールに変更するだけで2~3秒稼げるといいます。
こちらはCampagonoloのGHIBLIを選びました。1kgを越すことが常のディスクホイールですが800gを切っている軽さに惹かれました。
フルセラミックベアリングが使用されている「CULTハブ」も魅力です。ギア一枚しかないトラックレーサーですので、回転の軽さが勝負の分かれ目となります。
前輪はフランスのCORIMA3スポークバトンホイールです。
前輪に関しては屋外の競技場では風などもありますので、風が強い場合など35~50mmハイトのディープリムホイールが使用されることがありますが、東京オリンピックが行われる伊豆ベロドロームのような室内競技場では外的要因がほぼありませんので空気抵抗と剛性感に優れるバトンホイールが使用されることが多いです。
本当は5本スポークのバトンホイールを使用してみたかったのですが、予算の都合上あと2本生やすことが出来ませんでした。。
とはいえ、翌断面形状のバトンやセラミックベアリングが採用されたハブなどこちらも大きく後押ししてくれることは間違いないでしょう。
タイヤのエアボリュームを上げるという流れはトラックレーサーにも流れ込んでおり、勝負タイヤとしてはvittoriaのPISTA23Cを選びました。
ピストのタイヤは細ければ細い程よいという固定概念がありましたが、最近はボリュームの多いタイヤを選択する選手が増えているようです。実際に使ってみるのが楽しみです。
トラックレースでは種目によってハンドルを変更します。
理想はそれぞれのハンドルに対応したセッティングの自転車を2台用意することですが、さすがにそこまでは叶いませんので、このバイクはDHハンドルでのセッティングを主にパーツ構成を考えました。
なので、ドロップハンドルを使用する場合、SSサイズでトップチューブが509mm、ヘッドチューブに至っては70mmしかありませんので、170cmの私ですが130mmのステムを天返しにしてちょうど良いポジションになります。
そもそもなぜ今トラック競技なのか、やはり東京オリンピックの存在は大きいです。
まさか出場しようとは微塵にも思っておりませんが、一度は自分の納得するトレーニングをして納得した機材でトラックレースをやってみたいと常々思っており、東京オリンピックに向けて盛り上がっていく中で現役で競技をやることに意味があると思ったからです。
本来であれば、冬場恒例のウインタートラックレースから始めようと思っておりましたが、怪我の影響で年内は満足に乗れそうもありませんので年初からまたスタートできればと思っております。
機材に関しましては、基本的にお店の方に置かせていただいておりますので、なかなかニッチなものではありますし、あまり見る機会も無いものだと思いますのでお気軽にご覧いただければ幸いです。
購入を検討している皆様にあたっては室内でしたらご試乗いただくことも可能ですのでご希望の方はご連絡いただければと思います。
練習風景や、大会の様子などもホームページでご紹介できればと思っております。
トラックレースの情報はこちらのページを是非ご覧ください。
■CYCLIST FAN
http://d.hatena.ne.jp/cyclistfan/
日本代表選手の動向やレース情報などに明るいサイトです。
■More CADENCE
初心者でも楽しめる!競輪、KEIRIN、ロードレース等の自転車競技や、ロードバイク関連ニュースを発信するサイトです。
一歩踏み込んだ、選手達の本音に迫った熱い記事が魅力です。現在行われておりますトラックワールドカップの様子も随時アップされております。
日本の競輪に短期登録で来ている外国人選手達の競技事情等大変面白いと思います。
東京オリンピックに向け、販売店という立場ではありますが少しでも盛り上げていければ幸いです。
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