■レース名:UCIグランフォンドワールドシリーズ ニセコクラシック2019
■個人タイムトライアル:13.8㎞ 獲得標高207m
■70㎞ロードレース:70km 獲得標高1125m
■結果:個人タイムトライアル 2位(40-44age), 22‘27“97, Top+10”14, Av.36.99km/h
70kmロードレース 優勝(40-44age), 2:22’06”, Av.28.28km/h
■使用機材
フレーム RIDLEY NOAH SL
ホイール CORIMA S+
タイヤ Vittoria CORSA
ステム DEDA ZERO100(90mm)
コンポーネント SHIMANO ULTEGRA 6800(ブレーキレバーのみDURA ACE 9100)
サドル Specialized POWER W/MIMIC
サイクルコンピュータ、パワーメーター Pioneer SGX-CA500
ギア比 52/34 11-28T(クランク長165mm)
ニセコクラシックは、各年齢カテゴリー上位25%がアマチュアのワールド・チャンピオンシップへの出場権が得られる世界戦シリーズの国内唯一のレース。
初参戦の昨年に引き続き今年も行って参りました。
毎年、一日目に個人タイムトライアル(以降TT )、二日目にロードレースが行われているのだが、TTはエキシビジョン的な感じでワールドチャンピオンシップの対象外だったのが今年から対象になったのと、去年まで3㎞という距離だったので、それならばチャレンジしてみようと半ば勢いでエントリーしたらなんと、13.8㎞だったという・・・(笑)
前日の金曜日に現地入り。受付を済ませた後に同じくTTに参戦する西山さん(Roppongi Express)と合流しコース試走へ。直角コーナーが10個以上あるテクニカルなコース、実際走ってみると平坦区間は直角コーナーかクランク、直線区間はアップダウンというまぁ、ジェットコースターのようなコース。危険個所を確認しながらゆっくり走りましょ~・・・って、試走の相手が悪かった(笑)初めから5倍で入っていき既に本番さながら。事前のシミュレーションでAv.35㎞/hが表彰圏内かなと予想していて、試走ですでにその域。本番より試走の方がタイムいいんじゃないか?と不安に駆られる。とはいえ、試走したことでペース配分は掴めたし、西山さんとも攻略?的な話も出来たので翌日に備える。
7月6日(土)TT本戦の朝。
スタートは10:10なので7時頃起床し、のんびり朝食を済ます。
スタート地点までは8㎞程あるが下り基調なので自走でこれまたのんびりと。
会場に着き、既に終わっているカテゴリーの結果を確認。なんとチームメイトの土谷さんが3位入賞!すぐさま祝メールを送る。
検車を済ませ、出走順にテント内に並ぶ。
すると「Pedalistって神奈川の?」と声を掛けられる。なんと、女子選手の育成、競技発展のために発足されたHigh Ambition Women Cycling Academyの加藤修さん。お店、チームの存在を認識して頂いているなんて、こんな嬉しいことありません。
人生初の発射台に緊張しながらも、転ばずスタート(笑)
ほぼ農道で遮るものがないため、30秒前にスタートした前走者が常に視界に入る。スタート直前にメールにて西山さんからもらったアドバイス通り、最初は突っ込み過ぎないよう抑えるも、登りがあるためなかなか一定のパワーでというのは難しい。パワーメーターの数字を見ながらも、感覚にも頼りながら走る。
試走の際にはDHバー無くてもいいかな?と思ったりもしたが、がっつり多用することで前半は脚温存に努めた。度々出現する直角コーナーも大きな減速なく難なくクリア。
後半に入り、前方に自分の1分前にスタートした選手の姿を捕え、今回のコース上最も危険とされる下りからのクランクを無事に過ごしてから追い抜く。さらにその先にもうひとりの選手。相手はTTバイク、「世界の三船」がTTバイクが有利と言ったこのコース、ノーマルバイクだと平坦区間ではなかなか差が縮まらない。が、その先の二段坂。ちょっと腰を上げて差を縮める。後ろまで付いたらあとは一気に!
その後のゴールまで直線のアップダウンはひたすら踏み続ける。沿道の応援に応える余裕は無いものの、心の中で感謝しつつ最後の登りは呻き声を出しながら駆け上る。二人抜いたことで手応えを感じながら最後はハンドル投げ気味でフィニッシュ。
後続でゴールした選手と10秒差の2位、当初シミュレーションしていたAv.35km/hを超える約37㎞/hで走り終え、初めてのTTは上出来で終えることができました。
土谷さんとWで表彰台に立ち、西山さんにも祝福していただき気持ちよく一日目を終えました。
7月7日(日)ロードレース本番
レースに合わせて4時から用意されていたホテルのビュッフェで、好きなものを好きなだけ食べる(笑)
70㎞レースのスタート地点がメイン会場から20㎞程離れた場所になるので、メイン会場から出る送迎バスに5:30過ぎに乗り込む。隣に座っていた女性と少し言葉を交わし、お互いの完走を祈って、前日預けた自転車を取りに行く。
しばらくすると、別の宿から自走でここまで来たチームメイトの木川田さん、安田さん、中村さんと合流。スタートを待つ間ひとりぼっちじゃないのは何とも心強い。
配布されていたお餅を食べ、トイレも済ませ8:10いよいよスタート。
スタートの公園を出て3㎞程パレードランなのだが、公園を出る前に前走の選手がパンク!気の毒に・・・と思いながらも前が塞がり進まない。公道に出てからも前に上がっていかない選手が多く、なかなか進まずもどかしい。
最初の登りが始まる手前でリアルスタート。
なんだか去年よりごちゃごちゃしていて、すごく走りにくい。前に上がりたくても安全に進めるラインが無い。
そのまま、先頭集団から遅れたまま20㎞弱進んでしまう。でもこの時は、後半に続く登りの繰り返しで追いつけるだろうと甘く考えていた。
そして、日本海を望み左折したところで前走者が落車。減速しながら上手く回避している間に集団が行ってしまう。とは言え全然見える位置だったので、多少脚を使っても踏めば追いつくと思った瞬間、海へ吹き降ろすド向かい風にて壁にぶつかったかの如く進まない。後方にいた中村さんと共に苦行が始まる…。何が何でも集団にいないといけないシーンだった。じわじわと集団との差が開いていく。後ろの集団への吸収も考えて振り返るも誰もいない・・・。
脚も辛いが精神的にも辛かった。
どうしよう、どうしよう、それしか頭に浮かばない。
時間的には10分あったか無いかで強風域を脱し、集団から零れた選手で形成された小さな集団に追いつき、何とか前を追う。後ろからも集団が追いつきいよいよメインの登り。ここで少しでも先頭集団との差を縮めたいところだが、途中で告げられていた3分差がどうなっているのか全くもって不明だった。
とにかく最低でも同カテゴリーの選手はここらで千切りたいと思っていたので、チェックしながら前目で上がる。これにより、先頭集団にいる同カテゴリーの選手は2名と読んだが、自分より前のレース展開が分からないだけに、単独で飛び出して追いかけるべきか否かも判断できず。しかし、第3,4集団にあたるこの位置だと集団が形成されても、前を追う意思は全くなく、ペースは全くと言っていいほど上がらない。ただ、この集団にいた2名の女子選手はお互いが同カテゴリーだったから着争いをしている気配があり(後で確認したらトップ争いだった)、この二人を刺激して何とかペースを上げる。
しかし、下りがあまり速くない私が前に出られてしまうというこの集団では、「前を追う」というのはなかなか困難なのでは?単独で追うか?前の様子が分からないので、答えが出ない。
ただただそのままサイクリングが続く。
最後の登りに差し掛かる前で、着争いをしていた女子選手のひとりが前を牽き始めたので、上手くローテーションしてペースアップさせようと番手に付き回す動きをする。がしかし、私の後ろにそこそこの人数の男子選手が一列に連なっているにも関わらず、誰一人としてローテーションに加わらない。ここにいても何も生まれないと決意が固まり、最後の登りでこの集団と決別、残り10kmを自分のペースで行く。
細かいアップダウンはあるものの、基本平坦基調。前に追いつきちょっとくっ付いては抜いてを繰り返して残り2㎞。順位なんてわからない。
ゴールまで800m、平均勾配6%の登り。
後ろから女子選手の追手が無いことは分かっていた。あとは自分との闘いそう思っていた。
自分が泊っている宿を右手に見ながら左折。
すると目の前に、自分と同じ色のゼッケンが飛び込んできた!残り300mで逃げていた同カテゴリーの選手を捉えた!
一気に踏む。捲るパワーとしては大した数字は出ていなかったが、相手もかなり疲労困憊の様子、そして私の存在に気が付いていない。
前々日のTT試走のあと、西山さんが話してくれた過去のレースの話で、後ろから捲る方が全体有利だと言っていたまさにそのシチュエーションだった。
追い抜いた後も、差されないようにとにかく踏み続ける。追ってくる気配はなかったものの、振り向く余裕もなく最後は叫びながらゴール!
疲れた・・・脚じゃなくて精神的に疲れた。
レースに参加できていない焦りで精神的に追い詰められたレースだった。
何も出来なかった悔しさで、何とも言えない感情が押し寄せてきた。
それだけに、年代別優勝できたと知った時は心底ホッとした。嬉しいというよりは、安堵とという心境、6月の富士ヒルまでの絶不調からなんとか調子を上げ直し、全日本選手権の出場も見送って挑んだこのレース。内容は散々でも、何か結果を残すことが出来て本当にホッとした。
最後になりましたが、本番ギリギリまで機材、フィジカル、メンタル全てにおいて全力でサポートしてくださったPedalistの山崎さん、福本さん、野田社長。
しっかりと留守番をしてくれた子供たち家族。本当にありがとうございます。
また、いつも応援してくださる皆さまには感謝しかございません。まだしばらくは自分なりに頑張っていこうと思いますので、これまで同様、温かく見守って頂けましたら幸いです。
もちろん、一緒に走りたい!という方も随時募集中です(笑)
Text 廣瀬 博子選手
横浜ロードバイク専門店
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