【オーバーホール】コルナゴ C50の場合

【オーバーホール】コルナゴ C50の場合

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こんにちは、福本です。

名車コルナゴC50のコンポーネント交換を承りました。オランダ、ラボバンクのオスカル・フレイレ選手が世界チャンピオンになった時に使用していたフレーム(と、記憶しております)カーボンフレームながら細身のシルエットを残した現在あまり見ない美しいフレームです。独特な乗り心地はいまだにファンが多く、今回のようにコンポーネントを新しくしてでも乗り続けたいと思うフレームです。

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お持ち込みの状態では7800番のデュラエースが付いておりました。これを最新の9000番11スピードのデュラエースに交換します。変速性能、ブレーキタッチ全てにおいて進化を遂げており、これ以上ない操作感といわれるほど。

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記念モデルのステムハンドル一体型ハンドル。見た目は良いのですが、やはりポジションが制限されてしまいます。少し使用感のあるサドルも共に交換いたします。

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DEDAスーパーレッジエーラハンドル&ステム。カーボンハンドルは独特のカッチリ感があり、剛性アップは勿論の事、ロードノイズが腕に伝わりにくくなる効果もあります。サドルはFizik、ALIANTE限定モデルのプロチームカラーでカラーコーディネート。クッションが豊富ながらもしっかりと支えてくれるおススメサドルです。

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まずは部品をフレームから取り外していきます。

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ブレーキのアウターキャップが錆で固着しておりました。ワコーズのラスぺネを浸透させ何とか外せました。こういうところにもグリスは必要ですね。

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コンポーネントも取り外します。消耗品交換すればまだまだ現役で使用できます。当店では取り外した部品の下取りも行っておりますので、ぜひご相談ください。コンポーネントやホイールのグレードが一つ上がるくらいの予算になるかもしれません。

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また、このデュラエースは記念モデル完成車特別仕様で一つ一つにロゴ入り!初めてみました。これは貴重ですね。

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さて、フレームだけになりました。これからも末永く乗っていただけるように手を入れていきます。

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まずはボトムブラケット。水抜き穴から侵入したダストと古いグリスを除去します。また、端面に塗装がかなり乗ってしまっています。これではBBを取り付けた際に浮いてしまします。クランクの軸がかすかに曲がって入ってしまい音鳴りなどの原因となります。

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専用のフェーシングカッターで整えます。プレスフィットなフレームが増えてきたなか、あまりやらない作業ですが大事です。

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結構削れました。

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乗っていた塗装がつるっと綺麗になりました。気持ち良いですね。ピタッとBBが入ります。

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ヘッドパーツのロゴがバラバラです。。折角の高級フレームが台無しですので一度取り外し付け直します。

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ヘッドワンポンチ、という工具で打ち抜きます。インテグラルなヘッドパーツが多く採用されておりこの工具も出番が減りました。

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無事とれました。

ボトムブラケットと違いこちらはしっかりと塗装がフェーシングされていました。ここまでやっているのにヘッドのロゴがバラバラなのはイタリア流なのでしょうか。

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ピタッとロゴが3つ揃いました。直接走りには関係のない部分ですが、特に芸術性の高いイタリアンバイクでは大事ですね。

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ヘッドパーツにしっかりとグリスアップして組み付けます。回転抵抗の軽減とさび防止に、特に上側は汗などで侵されやすい部分ですのでしっかりとグリスを入れています。

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この引き上げボルトも錆びやすいポイント。ヘッドキャップに差し込んでからグリスを添付するとやりやすいです。

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しっかりと圧力もかかり滑らかなハンドリングです。

コラムが短いのでステムは天返しでの取り付けです。

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ボトムブラケットの取り付け。こちらはもっとも大きなトルクで締め付けますのでクッション材、焼き付き防止の為グリスアップします。BBは消耗品ですので次、外しやすいように。

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ネジがしっかりと立っていれば奥まで手で回ります。工具を使うのは最後だけ。もし抵抗があるようでしたらタップでネジを立て直した方が良いでしょう。因みにこのフレームはイタリアン規格ですので、左右両側共に正ネジで締め付けます。

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フレームの保護シート等もフレームがまだ裸の時に貼っておくと綺麗に貼れます。今回はバーテープで有名なリザードスキンのクリアのタイプ。

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付属のアルコールペーパーでしっかりと脱脂をします。油分が残っていると隅からはがれてしまい、汚れを呼んでしまいます。

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伸縮性のあるテープですので、フレームのアールに沿ってしっかりと張り付きました。

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最後にコーティング&艶だし。当店ではワコーズさんのバリアスコートを新車購入時、オーバーホール時にサービスでコーティングしております。これをやっておくと納車後の洗車が本当に楽ちんです。艶があるフレームにはさらにその上からシェイクワックスで艶出しをします。

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シェイクワックスは塗って少し寝かせると白く乾燥しますので、この状態になったら拭き上げます。

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ぬるっとした光沢です。乗車中、レーサーパンツの滑りが違います(笑)

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部品組み付けの際にキズが付かないようラップでしっかりと養生します。組み付け中には手にグリスが付いた状態でやむを得ずフレームを触らなければならないシーンもありますので、ラップの上からならフレームを汚すことなく触れます。

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さて、料理でいう下ごしらえが終わりました。部品を取りはずしてそのまま新しい部品を組み付けるのは簡単ですが、もし自分で乗るならと考えるといろいろこだわりが尽きません。

機材トラブルの無いサイクリングの為に、すべての車体に同じように丹精込めて組み上げております。

部品組み込みに続きます。

横浜ロードバイク専門店 ペダリスト Pedalist トレーニング施設併設

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